経営者、投資家の為の税務

銀行が「貸したい会社」と「貸したくない会社」の違い|現場で感じる銀行の本音

「銀行は利益が出ていれば、お金を貸してくれる。」

そう思っている社長は少なくありません。

しかし、実際にはそう単純ではありません。

銀行は決算書だけを見ているわけではない。

では、銀行は何を見ているのでしょうか。


銀行は「返済できる会社か」を見ています

銀行の仕事は、お金を貸すことではありません。

貸したお金を、きちんと返してもらうことです。

だから銀行担当者は、

「利益はいくらあるのか」

ではなく、

「この会社は、5年後も返済できるだろうか。」

という視点で会社を見ています。

つまり、

「今」より「これから」を見ているのです。


貸したい会社① 利益が安定している

銀行は、大きな利益よりも、

毎年安定して利益を出している会社を評価します。

例えば、

100万円

120万円

90万円

110万円

このような会社は、

「経営が安定している。」

という印象になります。

逆に、

1,000万円

▲500万円

800万円

▲300万円

利益の波が大きい会社は、

銀行から見ると不安要素になります。


貸したい会社② お金が残っている

「黒字なのに、お金がない。」

これは珍しい話ではありません。

銀行は利益だけではなく、

現預金も必ず確認しています。

利益が出ているのに、

預金残高がほとんどない会社を見ると、

銀行は

「なぜ現金が残っていないのだろう。」

と考えます。

現金は、

会社の体力です。


貸したい会社③ 社長がお金の流れを説明できる

銀行担当者は、

決算書以上に、

社長との会話を大切にしています。

例えば、

「利益が減った理由は?」

と聞かれたとき、

すぐ説明できる社長は、

銀行からの信頼も高くなります。

反対に、

「よく分からない。」

では、不安に思われることもあります。


貸したくない会社① 役員貸付金が多い

これは銀行担当者が特によく見るポイントです。

役員貸付金とは、

簡単に言えば、

会社のお金を社長が借りている状態です。

銀行からすると、

「会社のお金の管理は大丈夫なのかな。」

という印象になります。


貸したくない会社② 毎年赤字

創業間もない会社であれば、

赤字でも融資を受けられることはあります。

しかし、

何年も赤字が続いている場合は、

銀行も慎重になります。

重要なのは、

赤字の理由を説明できることです。

設備投資による一時的な赤字なのか。

売上減少による赤字なのか。

ここは大きな違いがあります。


貸したくない会社③ 決算書が毎年バラバラ

利益が大きく増えたり、

大きく減ったり。

経費が急に増える。

銀行は、

「何があったのだろう。」

と考えます。

決算書には、

会社の経営姿勢が表れます。


節税しすぎると融資に不利になることも

ここは、多くの社長が勘違いしているポイントです。

「税金は少ない方がいい。」

もちろん、その考え方自体は間違いではありません。

しかし、

利益を極端に減らすような節税ばかりしていると、

銀行からは、

「利益を出せない会社」

と見られることがあります。

税務署は、

税金を計算するために決算書を見ます。

一方、銀行は、

融資できる会社かどうかを判断するために決算書を見ます。

同じ決算書でも、

見る目的はまったく違うのです。


銀行は「数字」だけで判断していません

融資の現場では、

数字以外の部分も見られています。

例えば、

  • 約束した資料をすぐ提出してくれるか
  • 試算表を毎月作成しているか
  • 売上や利益を把握しているか
  • 将来の計画を説明できるか

こうした積み重ねが、銀行との信頼関係につながります。

銀行は「会社」だけでなく、「社長」も見ているのです。


税理士は「申告書を作る人」ではありません

私たちが社長とお話しするときは、

「税金をいくら減らすか」だけではありません。

「銀行からどう見られる決算書にするか」

「利益をどう残すか」

「資金繰りに無理はないか」

こうしたことも一緒に考えています。

決算書は、税務署に提出するためだけの書類ではありません。

銀行、取引先、そして会社の未来を映す「経営の通信簿」でもあります。


まとめ

銀行が貸したい会社には、共通点があります。

✔ 毎年安定して利益が出ている

✔ 現金がしっかり残っている

✔ 社長が数字を把握している

✔ お金の流れを説明できる

✔ 銀行との信頼関係を大切にしている

一方で、利益だけを追うのでも、節税だけを追うのでも、会社経営はうまくいきません。

「税金」と「資金繰り」と「銀行からの評価」のバランスを考えることが、会社を長く成長させるポイントです。

山田税理士事務所では、決算申告だけでなく、融資を見据えた決算書づくりや資金繰りのご相談も承っています。

「今の決算書で銀行はどう評価するだろう?」
「これから融資を受けたいけれど、何を準備すればいい?」

そんな疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。

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