「毎年、自分で確定申告しています。」
この言葉を聞くたびに思うことがあります。
確定申告書を拝見すると、間違った申告というより、「知らないことで損をしている」ケースが本当に多いのです。ご自身で申告をされていた方が、弊所にご依頼いただくケースが毎年増えております。その中で私がよく見かける「あぁ~これ・・・・」というポイントをご紹介します。
① 中古物件なのに、新築と同じ耐用年数で減価償却している
中古物件には、中古資産の耐用年数の考え方があります。
築年数や構造によって計算方法が異なるため、新築と同じ耐用年数で計算すると、減価償却費が本来と変わってしまうことがあります。新築だと22年、中古だと6年というケースもあります。その場合、毎年経費にできる金額が大幅に変わってきます。
② 火災保険を全額経費にしている
長期契約の火災保険は、支払った年に全額を経費にできるとは限りません。
契約内容に応じて期間配分が必要なケースもあります。
「支払ったから全部経費」と考えてしまうのは要注意です。
③ 地震保険料を所得控除に入れている
賃貸物件の地震保険料を、経費として計上しているのに更に所得控除でも引いているというケースを見ることがあります。
経費と所得控除は全く別の制度ですが、賃貸物件は所得控除ができません。
④ 奥様への給与を経費にしている
「妻に家賃管理を手伝ってもらっているから給与を払っています。」
このケースもよくあります。
しかし、不動産所得で家族への給与を必要経費にするには、事業的規模(一般的には5棟10室基準)であることに加え、青色事業専従者給与の届出や、『専らその事業に従事している』などの要件があります。
単に家賃の管理を手伝っている程度では認められないケースも少なくありません。
逆に、不動産の修繕も集客も全部妻がしますという話も聞きます。その場合は、専従者給与として認められると思われます。
⑤ 5部屋しかないのに65万円の青色申告特別控除を適用している
アパート5部屋だけなのに、65万円控除を適用している申告も見かけます。
一般的には、不動産所得のみで65万円控除を受けるには、5棟10室基準など事業的規模であることが必要です。規模を満たさない場合は、適用できる控除額が異なります。
⑥ 土地取得の借入金利息を調整していない
不動産所得が赤字になる場合、土地取得のための借入金利息には特別な取扱いがあります。
この調整をせずに申告すると、後から税務署に指摘されることがあります。
⑦ 赤字で給与所得と相殺しているのに、ふるさと納税をしている
「不動産所得が赤字だから給与所得と損益通算できた。」
この場合、課税所得が大きく下がることがあります。
それにもかかわらず前年と同じ感覚で高額なふるさと納税をしてしまうと、自己負担以上のメリットが受けられないケースがあります。
ふるさと納税は「たくさんすれば得」ではなく、その年の所得や税額に応じた上限額を確認することが大切です。
⑧ 修繕費と資本的支出の判断を間違えている
外壁塗装、屋根工事、給湯器交換などは、内容によって「修繕費」になる場合と「資本的支出」になる場合があります。
ここは税務調査でも確認されやすいポイントです。
⑨ 経費になる支出を見落としている
管理会社との打ち合わせの交通費、書籍代、セミナー参加費、通信費など、賃貸経営に直接必要な支出を計上していないケースも少なくありません。
「入れ過ぎ」だけでなく、「入れなさ過ぎ」でも損をしてしまいます。
⑩ 確定申告だけで終わっている
不動産投資は、申告書を提出して終わりではありません。
- 次の物件購入
- 法人化のタイミング
- 銀行融資
- 相続対策
こうした将来まで考えて数字を見ることで、不動産投資の成果は大きく変わります。
まとめ
サラリーマン大家さんの申告で多いのは、「知らなかった」という理由での損です。
税務調査で指摘されるリスクを減らすことも大切ですが、それと同じくらい本来受けられるメリットをきちんと受けることも重要です。
山田税理士事務所では、不動産投資家の確定申告だけでなく、法人化や融資、将来の資産形成まで見据えたサポートを行っています。
「この申告で本当に大丈夫だろうか?」
そう感じたら、一度申告内容を見直してみませんか。







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