〜個人と法人、どちらで進めるべき?〜
こんにちは、山田税理士事務所 副所長の山田千比呂です。
不動産投資を始めると、多くの方が次に考えるのが
「融資をどう受けるか」「法人化はいつすべきか」 という問題です。
個人と法人のどちらで進めるかは、税金だけでなく、資金調達や投資規模の拡大にも大きな影響を与えます。
この記事では、融資の実情と法人化のタイミングについてわかりやすく解説します。
1|個人投資家として融資を受ける場合
✅ メリット
- サラリーマンの場合、本業の給与が信用力となり融資を受けやすい
- 初期段階では「個人の属性」を活かした資金調達が可能
- 事務負担が少なく、確定申告も比較的シンプル
✅ デメリット
- 所得が増えると累進課税(最大45%)で税率が急上昇
- 複数物件を持つと所得税・住民税の負担が重くなる
- 経費計上の範囲が法人に比べると限定的
👉 1棟目・2棟目までは、個人での融資の方が動きやすいケースが多いです。3棟目の壁というものがあります。
2|法人で融資を受ける場合
✅ メリット
- 法人税率は中小企業で約25%と、個人より低く抑えられる
- 役員報酬・経費計上の幅が広がり、節税の選択肢が増える
- 規模を拡大した投資(複数棟保有など)に向いている
✅ デメリット
- 設立・維持コスト(設立費用、法人決算費用など)が発生
- 設立間もない法人は実績がなく、融資を受けにくい
- 赤字が出ても給与所得と損益通算できない
👉 「規模を大きくする前提の投資」や「累進課税を避けたい」場合に法人化を検討する価値があります。
3|法人化を検討すべき3つのタイミング
- 所得税が高くなってきたとき
課税所得が900万円を超えると、所得税+住民税で約43%。
法人化で法人税率に切り替えた方が有利になるケースが多いです。 - 物件数や融資額をさらに増やしたいとき
個人の属性だけでは限界があり、法人格を持つことで金融機関との交渉余地が広がります。 - 将来的に事業を子どもに承継したいとき
法人にすることで、株式の形で資産を移転でき、相続税対策にもつながります。
4|法人化の注意点
- 設立したばかりの法人は実績不足で融資が難しい → 「個人で実績を積み、法人に切り替える」という流れが現実的
- 法人の維持には毎年の決算・申告が必要 → 税理士との顧問契約を前提に考えた方がスムーズ
- 個人と法人で収支が混ざらないよう、銀行口座や経理をきちんと分ける必要あり
5|まとめ
- 個人投資家
→ 初期は給与の信用力を活かして融資を受けやすい。小規模なら税務もシンプル。 - 法人投資家
→ 所得税が高くなってきたタイミングや、規模拡大・節税を重視する場合に有利。
👉 最適なタイミングは人によって異なりますが、
「個人で数棟保有 → 税負担が重くなる → 法人化を検討」
という流れが一般的です。
副所長よりひとこと
法人化は「節税になるから」という理由だけで判断すると失敗しやすいです。
大事なのは、ご自身の投資スタイルや将来設計に合った形を選ぶこと。
山田税理士事務所では、不動産投資家の方へ
- 融資を見据えた法人化シミュレーション
- 個人と法人どちらが有利かの比較試算
- 法人設立後の経理・税務サポート
を代表税理士が直接対応しています。
「自分はいつ法人化すべきか?」と悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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