個人事業主と法人設立の違いを徹底解説
こんにちは、山田税理士事務所 副所長の山田千比呂です。
近年、大学生のうちからビジネスを立ち上げる方が増えてきました。
SNSやYouTubeを活用したコンテンツ発信、アプリ開発、ECサイト運営など、学生の柔軟な発想を生かした起業が目立ちます。
そんなときにまず悩むのが、
「個人事業主として始めるべきか?」「法人を設立した方がいいのか?」 という問題です。
この記事では、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく整理し、大学生起業家が知っておくべきポイントを解説します。
1|個人事業主として起業する場合
✅ メリット
- 開業届を税務署に出すだけでスタート可能(費用ゼロ)
- 確定申告もシンプルで、初めての起業に向いている
- 利益が小さいうちは税率も低く済む
✅ デメリット
- 所得税は累進課税で、稼げば稼ぐほど税率が高くなる(最大45%)
- 社会的信用が法人より低く、取引先や金融機関からの評価が限定的
- 融資や投資を受けにくい
👉 まずはスモールスタートで事業を試したい大学生には、個人事業主としての起業が現実的です。
2|法人(会社)を設立する場合
✅ メリット
- 法人税率は約23%程度と、個人の高額所得税率より低く抑えられる
- 社会的信用が高く、取引や採用に有利
- 役員報酬や経費の幅が広がり、節税の選択肢が多い
- 出資や融資を受けやすく、事業拡大に有利
✅ デメリット
- 設立費用が必要(株式会社:約20〜25万円、合同会社:約6〜10万円)
- 決算・法人税申告が必要で、税理士費用などランニングコストが発生
- 設立直後は実績がなく、最初から融資が通るわけではない
👉 学生でも「大きく稼ぎたい」「出資を受けたい」「就職せず起業一本で行く」と決めているなら、法人設立を検討すべきです。
3|大学生起業家が選ぶ判断基準
✔ 事業規模
- 売上が年間数十万円〜数百万円規模 → 個人事業主で十分
- 数百万〜数千万円規模を見込む → 法人設立を検討
✔ 信用力が必要かどうか
- SNSやネット販売中心 → 個人事業主でも問題なし
- 大手企業や行政との取引を予定 → 法人の方が信用を得やすい
✔ 資金調達の予定
- 自己資金やクラウドファンディング中心 → 個人でOK
- VC(ベンチャーキャピタル)や銀行融資を狙う → 法人必須
4|税金と節税の違い
- 個人事業主
→ 青色申告で最大65万円の控除が使える(帳簿要件あり)
→ 赤字は3年間繰り越せる
→ 税率は5%〜45%(所得に応じて上昇) - 法人
→ 法人税率は約23%(中小企業の軽減税率あり)
→ 経費計上の幅が広く、役員報酬・退職金など節税の余地が大きい
→ 赤字は10年間繰り越し可能
5|まとめ
- 小さく始めるなら個人事業主:コストがかからず、気軽に起業可能
- 将来大きく伸ばすなら法人:信用力・資金調達・節税面で有利
大学生のうちに起業する最大のメリットは、失敗してもリスクが少ないこと。
最初は個人で挑戦し、軌道に乗った段階で法人化するのも立派な選択肢です。
副所長よりひとこと
「学生でも会社を作れるの?」
「アルバイトしながらでも個人事業主になれるの?」
こうした質問をいただくことが増えています。
大学生の起業は珍しくなくなり、若さゆえの挑戦は大きな武器にもなります。
山田税理士事務所では、
- 大学生の起業サポート
- 個人事業主と法人のシミュレーション比較
- 開業届・法人設立に必要な手続き
を代表税理士が直接サポートしています。
「どちらで始めるのが自分に合っている?」
と迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。
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