税金・保険・年金の境目を解説!
こんにちは、山田税理士事務所 副所長の山田千比呂です。
最近は、大学生のうちからフリーランスや起業をする人が増えています。
アプリ開発、動画編集、ネットショップ、インフルエンサー活動など、学生の間に事業を始めるのは珍しくなくなりました。
そんなときに気になるのが、
「親の扶養から外れるのでは?」 という問題です。
扶養から外れると税金・健康保険・年金の負担が自分にかかることになり、思ったよりも手取りが減るケースも…。
今回は、大学生起業家にとって重要な「扶養の境目」を解説します。
1|税金面の扶養の条件
税金の扶養は「所得税上の扶養控除」が基準になります。
- 年間の所得が58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)であれば、親の扶養に入れる
- 起業して利益(収入−経費)が58万円を超えると、扶養から外れる
👉 つまり、大学生が個人事業主として稼ぎ、利益が58万円を超えた時点で親の税金に影響します。
2|健康保険の扶養の条件
税金と健康保険では扶養の基準が違います。
- 年収130万円未満であれば、原則として親の健康保険の扶養に入れる
- 学生の場合、条件が多少緩和されることもあるが、継続的な事業収入があると外れる可能性大
- 扶養から外れると、自分で国民健康保険に加入し、保険料を支払うことになる
👉 起業して利益が安定してきたら、国民健康保険料の負担が始まると考えておきましょう。
3|年金の扱い
- 親の扶養に入っていても、20歳になったら国民年金に加入義務があります。
- 学生なら「学生納付特例制度」で年金保険料(毎月約17,510円)の納付を猶予できる
- ただし、起業して一定の所得がある場合、この特例が使えなくなることもある
👉 「事業所得が多い学生起業家」は、実質的に国民年金の保険料も負担する必要があります。
4|法人を設立した場合
もし大学生でも法人を設立し、自分が代表取締役(役員)になった場合はどうなるでしょうか。
- 法人から役員報酬を受け取ると、その金額で税金や保険の扱いが決まる
- 社会保険(健康保険+厚生年金)に強制加入 → 国保・国民年金ではなくなる
- 保険料は高くなるが、その分将来の年金受給額は増える
👉 本格的に会社経営を目指す学生は、社会保険加入が必須になる点を理解しておきましょう。
5|まとめ:大学生起業家が扶養を外れる境目
- 税金面:利益58万円超 → 親の扶養控除が使えなくなる
- 健康保険:年収130万円超 → 親の健康保険の扶養から外れる
- 年金:20歳以上は原則国民年金加入。所得が多ければ学生特例も使えない
- 法人化:役員報酬があれば社会保険・厚生年金に強制加入
副所長よりひとこと
「いくらまでなら扶養に入れるの?」
「国保や年金って、どれくらい払うことになるの?」
大学生の起業相談で、この質問は非常に多いです。
実際には、親の税金・健康保険・将来の年金負担をトータルで見て判断する必要があります。
山田税理士事務所では、大学生や若手起業家の方へ、
- 扶養を外れる条件のシミュレーション
- 開業届・法人設立のサポート
- 将来を見据えた税金・保険のアドバイス
を行っています。
「このまま起業を続けたら、いつ扶養から外れる?」
そんな不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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